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こんにちは、三重県伊賀市の歯医者、峰歯科・矯正歯科クリニックの院長KSK（けいすけ）こと峰啓介です。

歴史好きの院長が語る“忍者歴史シリーズ”の本能寺の変④。

今回は、「なぜ明智光秀は自ら“犯人”になったのか？」について考えてみたいと思います。

■ 「暗殺」のあとは、いつも世の中が乱れた

歴史を振り返ると、権力者が暗殺されたあとの日本は、

例外なく混乱に陥っています。

室町幕府の第5代将軍・足利義教（よしのり）は、

絶頂期にありながら、部下によって暗殺されました。

犯人はすぐに処罰されましたが、

その後の幕府は権威を失い、

後継将軍が頼りなく、やがて応仁の乱へと突入します。

また、第13代将軍・足利義輝も暗殺されました。

犯人とされた三好勢は勢力を回復することなく没落し、

全国は泥沼の戦乱状態へと突き進みます。

この流れを見れば、ひとつの教訓が浮かび上がります。

「権力者の暗殺後、犯人は浮かばれず、世の中は乱れる」

光秀がこれを知らないはずがありません。

■ 光秀の“計算”と“覚悟”

本能寺の変が起きた天正10年（1582年）は、

スペインによる植民地支配が急速に拡大していた時期です。

世界情勢を見ても、日本の混乱は避けなければならなかった。

光秀ほどの知略の持ち主が、

そのことを意識していなかったとは考えにくい。

だからこそ、光秀は考えたのではないでしょうか。

――「自分が“犯人”になれば、混乱を最小限にできる」と。

“犯人”が明確であれば、

その人物を打ち取ることで新たな秩序が生まれる。

逆に、犯人が曖昧なままでは、国は再び分裂してしまう。

光秀は、自らが犠牲になることで、

次の政権が正当性を持って立ち上がる道を作ろうとした。

そして同時に、

「この国を息子ではなく、もっと広い視点を持つ有能な人物に継がせた方が良い」

と考えたのかもしれません。

彼の行動の背景には、個人の野心よりも、

日本全体の安定を優先した深い計算があったように思えます。

さらに、もし光秀が自分は関与していないと沈黙していたなら、

状況はもっと悲惨だったでしょう。

信長の長男・信忠も二条御所で命を落とし、

織田家には明確な後継者がいません。

犯人も不明、跡継ぎも不在――

これは、武田家の滅亡を上回る大混乱を招いた可能性があります。

光秀が自ら“犯人”を名乗ることで、

人々は「敵」を明確にし、

その“打倒”によって秩序を取り戻すことができた。

結果として、彼の犠牲が次の時代を導いたとも言えるのです。

■ 信長の首が見つからなかった理由

信長の首が見つからなかった理由についても、

この視点から見ると自然です。

光秀が信長の遺体を丁重に処理し、

“弔い”と“演出”の両方を行ったのではないでしょうか。

信長を弔うことで忠義を示し、

同時に「クーデターの失敗」という形を残す。

その「しくじり」が、

後に秀吉という新しい時代を際立たせることになった。

そう考えれば、光秀は単なる裏切り者ではなく、

日本の行く末を見据えた“調整役”だったのかもしれません。

■ 次回に向けて

次回は、時間軸の考察 ― 秀吉が情報を掴んだスピードをテーマにします。

光秀の行動と、秀吉の驚異的な帰還スピード。

この二つの時間のズレに、事件の真相を読み解く鍵があります。

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